ヴァニラ画報

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森田一朗コレクション 「すてかん」コレクション

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新たに展示するコレクション70点を加えて、再び登場する「路上の華」捨て看板およそ100点展示。
女子プロレスマッハ文朱、ビューティーペアの全てが!

格闘技・ストリップまで大迫力のスペクタクル看板の数々をどうぞお楽しみに!

新画廊 展示室 A / 入場料500円(A&B共通)

※会期中無休

 ここに展示された「すてかん」とは、神たちの来訪の先ぶれとして、たまさか巷に飾られ、「今夜此処での一と殷盛」の祝祭が終わるや、忘却される神像である。プロレスラーという、海の彼方から攻め寄せる兇相の怪人や大力の巨人、それを迎え討つ、手力男や坂田金時の末裔たる日の丸レスラーたち。
 はたまた、いまだこの島国の男たちが目にしたことのない、異国の謎の美女たちの肢体や、想像を絶する淫蕩な痴戯に虜られて帰れなくなるかもしれないストリップ小屋。ひたすら可憐なリングネームの、女子プロレスや小人プロレスの、妖精さながらのレスラーたち(いま、どうしているんだろう?)。
 そう、これら「すてかん」とは、国道を疾走してくる宝船に乗った七福神たちの絵すがたであり、森田一朗は巷々から、捨てられた神々を連れ去って甦らせる、文化史における゛本格の大盗゛にほかならない。戦果のお宝の中には、佐野市のストリップのポスターのように、本来使い捨てされるはずの「すてかん」が、リサイクルされているという(エコ!?)涙ぐましいものもある。
 諸賢が、この異形の七福神図を愛でられて、よき新年を迎えられんことを。 佐伯修(作家)